転職の求人票を見ていると、少ないと言われながらも意外と色々な職場がありますよね。
派遣や正社員などの雇用形態の違いや給料など条件は様々ありますが、今回は1人職場の働き方についてお話していきます。
- 1人職場のイメージがわからない
- どんなスキルが必要なんだろう?
- 私にはどっちが合っているんだろう?
この記事は、1人職場の特徴とメリットデメリット、求められるスキルについてご紹介します。
それらを知ることで、あなた自身が1人職場があっているかどうかのヒントになると思います。
ちなみに筆者は1人職場ですが、元々の母体は何人も産業保健師や看護師がいて、その中には同期もいます。
そこで複数人職場の話を聞くこともできますし、社外の話も何人か聞いています。
今回は筆者の生きたツテ情報を元にお伝えしていきます!
1人職場とは?
1人職場は、工場や営業所、支社などに職場があり、一事業所に対して1人で仕事をしていきます。
実は産業保健師の職場の半数以上が1人職場といわれています。
一人職場の特徴
- 工場や支社などに常駐
- 正社員として採用または産休代替として採用
- 産業医は非常勤の場合が多い
- 産業保健の仕事全般を担う
イメージは学校の保健室の先生を想像してもらえれば大丈夫です。
もしくは小さなオフィスで総務や人事部の人と机を並べてデスクワークをし、時々外出して近くの営業所へ保健指導をしに行ったりします。
1人職場は1人で物事を勧めるので大変かと思いきや、自由度が高く自分らしくのびのび働くことができます。
やり方もある程度自由が効くので、事業所と自分の性格に合わせたやり方で仕事をすることができます。
従業員との距離感を大切に
私が一人職場で働いているときは、ふらーっと現場に立ち寄って「元気〜?最近どう?」と声をかけたり、
キャリアプラン面談と言いながら中身が殆ど恋話だったり、釣りが趣味の人に美味しい魚を分けてもらったりしています。
また職場には血圧計があるのですが、毎日計りに来てくれる人と雑談をしたり、
相談した後に「れんれんさんの所に行って元気もらってるよ」とお礼を言われたりと、日々楽しく仕事(?)をしています。
人と話したり、誰かを応援するのが好きな人には向いていると思います
とはいえ、従業員と親密になりすぎて公私混同してしまうのには注意が必要です。
従業員から相談され頼られる存在ともなりますが、職場外で会うとかLINEを教えると、
意外とトラブルの元となりますので、人を見定めた上で行うように注意しましょう。
仕事だと思って接しているのに、勘違いされたりする可能性があります
また、一方で1人職場はアウェー戦と言われています。
本来ならば、企業と二人三脚で従業員の健康促進に重要な役割にいるのが理想なのですが、
勤続年数が短い場合、社内全体における立ち位置はサブキャラ的な存在です。
いくら「社内で唯一の国家資格の医療職で仕事ができる人」だったとしても、サブキャラはあくまでサブキャラです。
そこをまず理解しないと主人公である従業員たちに煙たがられて嫌がられてしまいます(経験あり)
また工場や営業所など男性比率が多い職場の場合は、残念ながら男尊女卑(女性の発言を軽んじる)傾向があります。
そのため、労働環境において正論を言ってもスルーされる可能性があります。
一人職場を内定が決まって配属されてから1〜2年は情報収集に徹しておき、アドバイスや助言などは求められた時以外は控えておいたほうが無難といえます。
私のしくじり失敗談は以下の記事をご参考ください。
1人職場に求められるスキル
一人職場において特に重要視されているところは以下のスキルです。複数人職場と違い、コミュ力と自律心が重要になってきます。
これらのことを踏まえた上で自分の性格に合わせて自己PRに混ぜるのも良いと思います。
一人職場に求められるスキル
- 人の懐に入り込む愛嬌
- 一人一人に寄り添う力
- 自己理解
- 成長意欲
では一つ一つ解説していきます。
1.人の懐に入り込む愛嬌
愛嬌はめちゃくちゃ必要です。なんなら看護師の知識やスキルよりも愛嬌があるか無いかで仕事の全てが決まると言っても過言ではありません。
私も看護師スキルこそさほどありませんが、愛嬌で何とか乗り切ってます。笑
「愛嬌がいい」と思われるために、容姿は全く関係ありません。やることは2つだけです。
笑顔で挨拶。相手を褒める。
この2つだけ徹底してやれば絶対大丈夫です。
もはやこれは今働いてる職場からトライしてきましょう!
2. 1人ひとりに寄り添う力
1人診療所は様々な人が訪れます。会話の内容も人それぞれで、雑談程度からウルトラヘビーな案件など、聞く側が経験した事がない話を聞くことになります。
そこで大切なのはどんな内容であれ、寄り添う姿勢です。
「あなたの趣味なんて興味ないわ〜」と仮に思っていたとしても「そうなのね、面白いね」と親身に聞く事が求められます。
1人職場は従業員と密に関わることができます。
従業員それぞれの人生をそばで応援することができるので、やりがいを感じることができます。
3.自己理解
自己理解は、全てを理解することはできませんが、
「何ができて何ができないか」「相手からどう思われているか」「仕事の価値観と人生経験」「コンプレックスと思考の歪み」を理解しておく必要があります。
人は「よくわからないものを恐れる生き物」です。
産業保健師は認知度が低いので、無意味に恐れられている場合が多々あります。
その際、自己理解をして自己紹介を適切にできるかどうかで、認知度が低い産業保健師の仕事やあなた自身を適切に理解してもらうことができます。
ただし、自己理解は産業保健師に内定して新しい世界に飛び込むことで、「自分は〇〇だと思ってたけど、実は〇〇だったんだ」再形成されていく部分はあると思います。
産業保健師の認知度が低い理由については以下の記事もご参照ください。
4.成長意欲
産業保健師は日々勉強です。
労働基準法、労働災害、社内規則、社会資源などの公的なものから、病態生理、栄養学、薬学、社内政治、PCスキル、男の行動心理学などを学習しながら日々過ごしています。
困った時は人に聞けないので、自分で解決するしかありません。
産業医がその場にいたら超安心なのですが、産業医は非常勤のパターンが多いので、看護師が1人となれば、医学的判断と責任を迫られる場合もあります。
とはいえ、わからない事があるのが普通です。
一人診療所は「あなたそんなことも知らないの?」と皮肉を言う先輩看護師はいません。(笑)
しかし、大切なことはわからないまま放置するのではなく、その都度確認・勉強することです。
これについては看護職は日々勉強から逃れられない運命だと思って受け入れるしかありませんね。
1人職場のメリット
1人職場のメリットは以下の通りです。複数人職場と比べて圧倒的自由を手に入れることができます。
一人職場のメリット
- 人間関係の悩み激減
- 他者の人生から多くを学べる
- 自由度が高い
- 様々な経験が積める
これらについて一つ一つ解説していきます。
1.人間関係の悩み激減
1人職場は1人なので、怖いお局様も無礼な後輩などの相手をすることがありません。
利用者が高圧的だったり態度が悪い事はたまーにありますが、
立場が違うという事から簡単に割り切れますし、基本的には話が通じる人が殆どです。
私が病院勤務していた頃は残業100時間超のスーパーブラック病院でしたが、
それでも病棟メンバーは良い人ばかりで、仕事における人間関係のストレスは新人の時以外、ほぼありませんでした。(新人の時を除く笑)
それでも1人職場になってからはスーパーストレスフリーになった爽快感は今でもあります。笑
2.他者の人生から多くを学べる
1人職場は従業員一人一人と深く関わります。
他人の人生って意外と面白いんですよ。目の前の従業員がいかにして今の人生にたどり着いたかというのを聴くと尊敬できたり、反面教師として学ぶことができたりして、ためになることも多々あります。
そして頑張っている人を支える事もやりがいを感じられます。
話を聞いてるとつい応援せずにはいられない人や、こっちまで泣けてくる話もあったりして
聞いている側の感情を揺さぶられることもありますが、それこそ人生の一端を応援させていただいて本当にありがとうという気持ちにもなります。
もしあなたの性格特性が主役タイプではなく、サポートタイプである場合はとても適任であると言えます。
3.自由度が高い
1人職場は前述にもありましたが、その日の仕事の量を自分で決めることができます。
病院や複数人職場では、「12時に点滴を交換する」と言った決められた時間と仕事をこなしていくことが求められますが、
1人職場は「今週までにこの資料を仕上げる」と言った仕事を増やしたり減らしたりすることがおおむね可能です。
もちろんやらなければならない事はあるので、後回しにしたぶんツケが回ってきますが、ノルマはそこまで多くないので調整することができます。
また「健康促進の一環として◯◯をやりたい!」というのがあれば、担当者と相談して新規活動を立ち上げることだってできます。
社内で自分の意見を発信したり、作ったパワポ資料を従業員の目につく所に設置したりして、それを見ている従業員を見ると達成感も生まれることができます。
4.経験が積める
1人職場は看護師スキルを広く積むことができます。応急処置や急変対応、抗がん治療、メンタルケアなど、様々な症例を受け持つことができます。
病院で長く経験を積んでいる方は、その知識を存分に活かすことができますし、仮に経験も知識自信がなくても、最悪救急要請すればなんとかなります。
また事業所の従業員と密に関わるため、一般社会の感覚や価値観を理解することができます。
その他にも「自分で何とかする」というセルフマネジメント能力が否が応でも身につくので、人間としても成長することができます。
1人職場のデメリット
私が考える1人職場のデメリットは以下の通りです。
デメリット
- これで良いのかという不安が常にある
- システムが整備されていない場合が多い
- 苦手な事もやらなければならない
1.これで良いのかという不安が常にある
1人職場は1人で色々物事を進めていかなければなりません。
相談相手が少ないので「これで良いのか?」と常に思います。産業保健師として働いている人数も少ないので、同僚や相談相手がほとんどいないのが現状です。
とはいえ、全くないわけではありません。
産業保健師学会や研修などに赴くと産業保健師がたくさんいます。
他にもSNSなどでは産業保健師のオンラインサロンも少数ですが存在しているので、仲間が欲しい場合はそのような場所に行くと良いと思います。
また、病気の相談をされた際の対応もな緊急度が高かったり、かすり傷程度だったらわかりやすくていいのですが
病院に連れて行くべきか否か。連れて行くなら何科か?という微妙な症状は、いつも悩みます。
そのような場合は「迷ったら一応近医を勧めておく」という対応をしておくと、看護師だけの責任にはなりません。
2.システムが整備されていない場合が多い
産業保健師に転職して、一番驚いたのは紙カルテを使っていたことです。
筆者は平成生まれですが、病院勤務の頃は電子カルテを使っていました。
今の職場では紙に看護記録と医師記録を記載し、どんどん分厚くなるカルテを千切れないようにセロテープでくっつけるのは「いつの時代?」と思いながら作業しています。
また工場勤務の場合は工場内にスマホ持ち込み禁止という場所もあります。
さらに従業員は管理職しかPHSや社内メールアドレスを持ち合わせていないため、従業員と直接やり取りする際は、直接現場に赴くか、手紙を書いて本人に渡してもらうという、なんとも非効率な方法しかない場合もあります。
そのため、効率よく仕事が出来るように常に考えていく必要があります。
3.苦手な事もやらなければならない
仲間がいれば作業を分担して行うことができますが、1人ではそうもいきません。
私の場合は単調作業が苦手なので、特定保健指導などのデータ入力はつい後回しにしてしまいます。
またメールやLINEのやり取りが致命的に苦手なので、他人に迷惑をかける事もしばしばあります…
人間だれしも得意不得意があるので仕方ありませんが、不得意な業務をいかに楽にするかという事も考えて対応していく必要があります。
未経験でも1人職場はできる?
それはあなた次第!です。
ちょっと待ってください、丸投げではありませんよ。
あなたの性格や考え方、ライフプランによって向き不向きがあります。
この記事を読んでワクワク感があったり、イケそうだと直感で感じたなら絶対に1人職場のほうが良いと思います。
もし詳しく話したい方は、お問合せフォームにご連絡ください。しっかりじっくりお話をお伺いしたのちにお伝えできたらと思います。
また、複数人職場については以下の記事に記載がありますので、併せてお読みいただけたらと思います。
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