転職の求人票を見ていると、少ないと言われながらも意外と色々な職場がありますよね。
派遣や正社員などの雇用形態の違いや給料など条件は様々ありますが、今回は複数人職場の働き方についてお話していきます。
- 複数人職場のイメージがわからない
- どんなスキルが必要なんだろう?
- 私でも大丈夫かな?
この記事は、複数人職場の特徴とメリットデメリット、求められるスキルについてご紹介します。
それらを知ることで、あなた自身が複数人職場があっているかどうかのヒントになると思います。
ちなみに筆者は1人職場ですが、元々の母体は何人も産業保健師や看護師がいて、その中には同期もいます。
そこで複数人職場の話を聞くこともできますし、社外の話も何人か聞いています。
今回は筆者の生きたツテ情報を元にお伝えしていきます!
また、一人職場の特徴については以下の記事もご参照ください。
複数人職場とは
複数人職場とは、同僚の保健師もしくは看護師が複数人常駐しており、主に大企業の本社や1000人以上働いている職場に配属されます。
複数人職場の特徴
- 大企業の本社や従業員数1000人以上の職場に配属
- ホワイトカラーが対象者の場合が多い
- 産業医も常駐している事が多い
- 判断は全て医師や先輩が行う
複数人職場は町のクリニックが一番近いイメージです。仕事は診療の補助もしくは保健指導がメインです。
しかし企業によっては保健指導を産業医が行う所も多く、その場合看護師は対象者と日程調整などの事務作業が中心となります。
クリニックや診療所のような職場には、あらかじめ来所予定された従業員が入室してきます。
受付や案内を行い、診察室に通して先生の診察では後ろにそっと立って必要時は補助をします。診察終了したら次回の受診予約等の説明を行います。
また、メンタル不調の従業員も、企業の人事部と産業医が対応するため、看護師が従業員の相談に乗るというのもほぼありません。
健康診断も業者が実施するため、仕事の大半は医療事務となります。
OL気分が気持ちよい職場
複数人職場は都市部で働くことが多く、完全なオフィスであるため、看護師であることをしばしば忘れてしまいます。
暇なときは産業医の先生や先輩と近くの美味しい店やショッピングについて談笑したり、
パソコンやスマホで可愛いものを見せ合ったり、
看護服を着たOLという優越感を存分に味わいながら仕事をすることができるのです。
今まで自分がキッツい職場で働いていたのが嘘みたいに思えて、医療現場と全く違うオフィス環境にいられることを次第に誇りに思うでしょう。
とはいえ、田舎が大好きだったり人酔いしてしまいやすい人は、
満員電車での通勤や人ごみにあふれた都会にストレスを感じてしまう方も中にはいるかもしれません。
複数人職場のメリット
複数人職場のメリットは以下が挙げられます。
安心感が得られるのが大きなメリットであり、特に産業保健の経験が未経験の場合は必ずチェックしておきましょう。
複数人職場のメリット
- 医学的責任が少ない・軽い
- 未経験からスタートする安心感
- 仕事は激務か激暇の2択
- エリートとの出会いがある
- 様々な働き方ができる
それでは一つ一つ解説していきます。
1.医学的責任が少ない・軽い
企業内容にある職場は、医学的処置は滅多に行いません。
診療の補助とはいえ、陰洗や体位交換はもちろんないし、創処置や抗がん剤治療などの治療も、基本的には外部のかかりつけ病院で実施します。
つまり医学的処置は殆どなく、診療の補助といえば受診案内や予約確認をする程度となります。
一部の職場は診療所として、医学的処置を行う所があります。その場合は採血や内服加療、軽症の創処置等を実施する場合があります。
最終判断は先輩や医師が行うので、何か責任を問われたとしても上司がとってくれます。
また、前述にもありましたが複数診療所は看護師がメンタルケアをすることがほぼありません。
これは大企業はすでにメンタル対策を取っているからであり、人事部や総務といった関連部署が基本的には対応します。
メンタルケアでこちら側の心がやられるといったことは殆どありません。
2.未経験からスタートできる安心感
未経験にとって一番不安なのは「私でも大丈夫かな?」ですよね。
よくあるのは複数人職場の派遣社員として雇われて、経験を積んだのちに転職する流れとなります。
派遣は正社員よりも比較的責任が軽いため、お試しとして入社できるのが魅力ですし、先輩に聞けるのが大きな安心感に繋がります。
特に未経験者歓迎なのは複数人職場であることが多く、周りに聞きながら成長できるのは一番のメリットとなるのではないでしょうか。
ただし、複数人職場と1人職場は雰囲気がかなり異なるため、複数人職場で試した事が産業保健の全てではないのことに留意しておきましょう。
3.仕事は激務か激暇の2択
複数人職場は、従業員の管理人数が多いので看護師一人当たりの受け持ち(担当事業所)は1人職場よりも多くなる傾向にあります。(1000人〜2000人程度)
対象者が多いと、その分メールや電話のやり取りがふえます。
メールや電話は何十人・何百人と行うので、スケジュール調整が大変だったりします。
仕事が忙しい、特定保健指導の面談が嫌などの理由でリスケやバックレは日常茶飯事です…
逆に健診シーズンが終わったりすると、仕事が激暇な時があります。
無意味にPCみて数時間過ごすこともあったりメンバーと雑談して時間を溶かすこともあります。
外勤について
ちなみに仲間同士で協力するかどうかは、職場の人間関係によって違います。チーム戦の時もあれば個人プレーの場合もあります。
例えば、外勤と言って支社をひたすら移動して保健指導や職場巡視などを行う場合があります。
外勤は産業医と一緒にいくこともあれば、一人で巡ることもあるため
個人プレーとして息苦しさから解放されることもあるそうです。
外勤があるかどうかは、転職の面談の時に聞いてみると良いです。
4.エリートとの出会いがある
複数人職場がある企業は、大企業の本社だったり規模が大きい支社だったりします。
そうなると必然的にエリートと関わることになります。
エリート達は忙しく働き、疲れています。
そんな中で白衣を来たあなたが側を通るとエリートはガン見せずにはいられません。笑
「近づきたいけど何を話せばよいのやら」と思ってるエリートはたくさんいます。
なので「顔色悪いけど何かありましたか?」とあなたから優しく声をかけてやってください。
ただ注意点は、従業員と仲良くなるとそれに目をつけるお局様は絶対にいます。そう絶対に。
そのお局様の目を上手く欺くようにしてください。
5.様々な働き方ができる
これは時短ワーママには嬉しい朗報となります。
複数人職場はPC環境が整っているため、一人職場よりもフレックスタイムワーク、在宅ワークなどの業務に適応している職場が多いです。
フレックスタイムとは
・労働者が各自の始業時刻と終業時刻を原則として自由に決定できる制度です。
・フレックスタイムを導入した場合、通常の1日8時間、1週40時間の時間外労働規制ではなく、1ヶ月以内の会社が決定した清算期間単位で行われます。
子育てしていると、時短勤務や突然のお迎えに対応しなければなりません。
一人職場は頼む人がいないので、困ることが多々ありますし、職場にいることが仕事であるため、在宅ワークは仕事上適していません。
しかし複数人職場なら在宅でメールチェックや電話のやりとり等は可能なので、在宅でも仕事ができる場合があります。
複数人職場のデメリット
複数人職場のデメリットは以下が挙げられます。
複数人職場のデメリット
- 産業医orお局様に気に入られなければ即終了
- 看護師としてのやりがいが感じにくい
- 自分の意見が言えない
ここからはデメリットについて解説していきます。
人間関係に最大限に留意する必要がありますが、そこをマスター出来れば複数診療所のデメリットは無いに等しくなります。
1.産業医orお局様に気に入られなければ即終了
これは後述にもありますが、少ない人数でも人間関係の不和があります。
看護師同士ならまだしも、そこに産業医が加わることで、ピリつく事がしばしばあります。(全てではありません)
人間関係はどこにでもありますよね。
女性職場は感情論で物事を決めがちなので、お気に入りとそうじゃ無い人が同じ仕事をして同じ成果を上げても、お気に入りが評価されます。
入社した際にはキーマンを見極めて、その人に気に入られるような戦略をとっておきましょう。
2.看護師としてのやりがいを感じにくい
複数人職場の仕事は、前述にもありますが診療の補助と医療事務がメインです。
産業保健といえば、職場巡視や環境改善、従業員のキャリアプランをサポートするというイメージがあるかと思いますが、
その殆どが産業医によって行われます。
企業によっては従業員と関わる機会がメールのやり取りしかないというところもあります。
病院勤務で患者とのやり取りを楽しんでいた方にとってはかなり寂しく感じるかもしれません。
また、企業で開催される健康イベントは、あくまで企業の総務や企画運営部などが担当するため医療職が出る幕はありません。
もし健康イベントを開催したいと思っているのなら、複数人職場ではほぼ確実にできないので、一人職場か行政保健師を選択した方が良いと思います。
看護師という仕事のやりがいは必要なくて、キレイな所で給料をもらいたいという方は向いていると思います。
3.自分の意見が言えない
複数人職場は一人職場とは違い仕事の範囲が決まっています。
自由度はなく、言われたこと以外はやらない方が身のためというような文化さえなっているところがあります。
それは、大企業であるがゆえに組織化されており権力が産業医に集中しているからです。
安全衛生委員会などの会議にも参加できる保健師は限られています。
もし参加できたとしても看護師が物申すならば、すぐに何かしらの権力に捻り潰されます。
おかしいと思っていても変えるための力はないので、その場に適応するしか方法はありません。
適応能力があったり、自分で何か決めて動くのが苦手な方は複数人職場に向いていると思います。
複数人職場に求められるスキル
複数人職場で特に求められるスキルは以下のものです。
やはり人間関係力が大切となってきます。
求められるスキル
- 人間関係を割り切る能力
- ごますり力
- ビジネスマナーと事務処理能力
このスキルについて解説していきます。
1.人間関係を割り切る能力
複数人職場は、病院などの職場同様に人間関係に悩むことが往々にしてあります。
基本的には良い人が多いのですが「あの人だけは苦手」というのが必ず発生します。
転職する際はそれをまず覚悟しなければなりません。覚悟した上で割り切ることが求められます。
特に、大企業なのに数ヶ月求人が出続けている企業は要注意です。
とはいえ、今まで人間関係に苦労した事がさほどない人なら天職だと思いますし
「人は人、自分は自分」の精神を持っておくことで精神的安寧を保つ事ができます。
2.ごますり力
複数人職場は、病院と同じく年功序列であり産業医様様で崇めたてまつる場所が多いです。
長年同じ企業に勤めている産業医の元で働くとなると、金と権力にものを言わされるので、
その産業医に嫌われたら完全終了となります。
また、場所によっては産業医とお局様がタッグを組んでいると会社のトップですら手がつけられません。
そんな権力者は敵に回すと怖いですが、逆に味方につけることで虎の威を存分に借りることができます。
ごますり力とは薄っぺらい褒め言葉ではなく心から褒めること。
そして相手の話をきちんと聴いて賛同することが大切です。
3.ビジネスマナーと事務処理能力
これはある程度想像つくかと思いますが、大企業の従業員はビジネスマナーがきちんと身についています。
そのため看護師が出来ていないと白い目で見られるのは間違いありません。
複数人職場の業務内容はメールや電話対応、医療事務がメインになるので、そういった作業に苦手意識を感じると辛く感じるかもしれません。
メールやExcelなどはマクロなどのプログラミングを組めば短時間で多くの作業をこなすことができます。
PCが好きな方や、物事に利便性を求める事が好きな方はぜひマクロなどのプログラミングに挑戦してみてください。
まとめ
複数人職場で働くイメージはつかめましたでしょうか?
看護師としてのやりがいは感じにくいけど、OL気分が味わえる職場で安心して働けるのが最大の魅力であり、働いてみたいと思う方は多くいるのではないでしょうか。
一人職場の特徴についてもリンクがあるのでそちらを確認し、自分にあっていそうな転職先を探してみてください。
とは言え、自分にはどっちが良いかわからないという場合は転職エージェントに相談するのもおススメです。
エージェントならではの視点で企業のことがわかるので、ぜひ多くの情報を持って転職活動を行なっていきましょう!
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